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一九九三年に日本市場に投入した四百万円を切るCクラス・シリーズ、同年に発表したコンパクト・カ-のAタイプなどは一環である。
ないほどの低価格である。
ため、発売と同時に、予想を大幅に超える台数が売れた。
新車発表会の席上、ヴエルナ-社長はクラスCの開発にあたっての最優先事項は価格競争力にあったと述べている。
それまでベンツは、かかった製造原価に応じて価格を決めるコスト・プライス方式をとっていたが、Cクラスではマーケット・プライスを採用したのである。
生産方式においても同様である。
二十一世紀を前にしたベンツのこの選択は、百年以上も守りつづけてきた自らの車づくりを自己否定するものといえる。
ベンツの二十一世紀に向けた経営戦略は、一九九七年秋に発売された高級小型乗用車Aクラスに端的にあらわれている。
ドイツの自動車専門誌は、「ベンツはおかしくなった」と報じたほどだった。
顧客がベンツに対して抱いていた先入観からはほど遠く、この変身ぶりに、ベンツ・ファンのあいだに大きなとまどいが広がった。
「単なる展示用の試作車にすぎない」とか、「人をからかっているだけだ」という反応もあったほどだ。
ガソリン車で排気量が少ないほうが一三九七円最高出力八十二馬力、最高速度は百六十九キロ、燃費はリッターあたり十四・七キロである。
ちなみに、ディーゼルターボの燃費は二十二・ニキロである。
一九九九年から欧州連合として実施予定の排ガス規制のステ-ジ3をクリアしている。
ベンツはヨーロッパが中心で販売台数の六五パーセントを占めており、一七パーセントでしかない。
アメリカクライスラ-は不況にみまわれた一九七0年代にヨーロッパから撤退し、北米一辺倒で九Oパーセントも占めている。
現在の欧、米、日の三大市場の一つであるアメリカでいまひとつシェアを伸ばせないベンツ。
ロッパに進出できず、日本ではジ-プのチョロキーくらいしか進出できていないクライスラー-。
市場においても両社は競合することがきわめて少ない。
主に高級大型車や中型車を得意としてきたベンツは、Aクラスやミニカーの「スマート」といった高級小型車を開発、生産したことで、かえってむずかしさを思い知らされることになったフルライン・メーカーとなるためには、大衆車もそろえる必要がある。
一九六0年代から八0年代にかけて、大型車を得意としたアメリカが小型車の生産を甘くみていたため、煮え湯を飲まされることになったが、安くつくることもきわめてむずかしい技術であり、蓄積が必要である大競争時代に入ってしまった現在、ベンツには、自らの手でそれを築き上げていく時間的な猶予は与えられていない。
日産と提携することでそれを得ようとしているのである。
グローバルな展開をより積極的に進めていく必要のある二十一世紀、少なくとも三大市場のうちの二つには確固たる生産および開発拠点となる足場を築き上げ、一定の販売シェアをもちえていなければ、巨大・自動車メーカーとして生き残っていくことはできない。
意味で、ベンツとクライスラー-の合併は二十一世紀に向けた巨大メーカーのサバイバル戦争に大きな一石を投じた。
このあと、勢力地図の変化にともなって、さらなる大型合併や提携は必至で、現在、交渉が進められているGMと大字やフオルクスワーゲンとボルボ、うわさが流れているフォ-ドとイタリアのフィアットの提携だけではとてもおさまりそうにはない。
ベンツが安全と高級志向を経営戦略の主要な柱としていた時代は確実に終わった。
成熟化したヨーロッパのマーケット全体が、いま大型車から小型車へと急速にシフトしつつある。
この波は石油危機直後のときと同じく、アメリカにも波及していくことは間違いない。
八0年代はじめ、日本の輸出攻勢によってヨーロッパに第一次小型車戦争がはじまったいま、第二次小型車戦争が進行中だ。
一次の主役だった日本車は、ヨーロッパに十分な生産拠点を確立しておらず、いましばらくは脇役にまわらざるをえない。
かわって、ベンツが一石を投じようとしている。
同じドイツでは、フオルクスワーゲンも一九九四年に一六00α の「ポロ」を発売して、ヨーロッパのベストセラー・ヵーとなっている。
一九九六年四月、渋滞や事故、交通規制などの情報を走行する車でリアルタイムに受信できる道路交通情報通信システム(VICS)がはじまった。
経済活動のテンポがいちだんと速まり、まさに8時は金なり。
の時代である。
牽のハイテク化が進み、安全対策も進んでいる。
それにもかかわらず、交通渋滞はいっこうに解消されないばかりか、ますますひどくなっている。
ある算出によると、渋滞にともなう時間と経済的なロスは、年間五十六億時間、十二兆円ともいわれている。
もし、渋滞情報が事前に得られれば、そこを避けて通ることで、目的地までの時間を短縮できる。
そうした目的から生まれたVICSは、さらに広範囲にわたる多種類の情報提供を目的としたインテリジェント・トランスポート・システム(ITSH高度道路交通システム)の第一歩でもあった。
仕組みは、情報の送り手となるVICSセンターが日本道路交通情報センターなどから受けた情報を、広範囲にカバーするFM多重放送と高速道路上の電波ビーコン(発信装置)、主要幹線上の光ビーコンの三つの通信システムを使って走行中の車に随時、流すというものである。
受け手は、名神の高速道路でサービスがはじまり、十二月には大阪府、続いて一九九七年四月には全国の高速道路および愛知県下に広がっている。
から地方の主要都市、さらに全国へと広がっていく。
将来的には、高速道路の自動料金徴収システムも予定されており、ゲートでいちいち料金を支払う必要がなくなる。
ノンストップで通過しても、ゲートに設置されたアンテナからのマイクロ波で牽載の受信装置と交信されて、瞬時に金額が計算され、プリペイドICカードなどで決済される。
マルチメディアの分野ではアメリカより五年は遅れているといわれる日本がVICSの導入で先陣を切った背景には、欧米と比べて、あまりにもひどい道路の渋滞がある道路や町並みが混み入っており、無秩序な看板や電柱などもあって、道路標識が見えにくい。
住居地域の表示方式にも一貫性がなく、わかりにくいという点もあげられる。
ただ、大いに期待されて登場したVICS、現在のところ、専用の受信装置を必要とするため、購入するドライバーはそれほど多くない。
一式三十万円という値段もさることながら、日本の道路事情があまりにも絶望的なため、はたして値段に見合った効果が得られるかどうか、疑問視する向きが少なくないからだ。
いずれにしても、ヵ-ナピの普及率では日本が世界でもっとも高く、一九九七年の圏内販売台数が百万台を突破した。
カーナビゲーシヨン・システムはアメリカの軍事衛星一GPS(グローバル・ポジショニング・システムH全地球測位システム)を利用した測量技術で、地球上のあらゆる地域で現在位置を確認できる。
カ-ナピは、道案内だけにとどまらず、インフラの整備とあいまって、公共および民間情報通信システムの端末として、ITSのユニットの一つとしての機能ももち合わせた情報通信システムとなってくる。
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